破産にまつわる誤解


よくある誤解

いまだにあるのは,

 「破産すると戸籍に載る」

 「破産すると選挙権がなくなる」

などという誤解です。
そのようなことはありませんので,ご安心下さい。


全財産を失うのか

破産をすると,財産をすべて失ってしまうのかということもよく聞かれます。

不動産(家)については,手放すのが原則と言わざるを得ません。

車については,査定額が20万円以下であれば残せることが多いです。
ただし,ローンが残っている場合は,自動車ローンの会社に引き揚げられます。

家具などは,まず持っていかれません。
民事執行法131条には,差し押さえることができない動産が列挙されていますが,ほとんどの家具は「生活に必要なもの」として認められるからです。
貴重な家具や高価な家具があれば別ですが・・・

 

内緒で破産できるか

破産したことを周囲に隠し通すことは可能でしょうか?

同居している家族に内緒で破産したいという希望をお持ちの方がいらっしゃいますが,結局ばれてしまうことがあります。

とくに夫婦の場合だと,ローンの審査にことごとく落ちてしまうので,配偶者が不審に思ってばれてしまうということがあります。
なるべく同居している家族には破産のことを伝えたほうがいいと思います。

勤務先や就職希望先には,特殊な職場でない限りばれないと思います。

ただ,破産した事実というのは,「官報公告」に記載されます。
この「官報公告」自体を見る人はほとんどいないのですが,インターネットで破産した人の名前を検索できる場合があるようです。
ですから,あなたの名前を誰かが検索して,あなたが破産したということを知る可能性はあります。

「破産したことを知られたくない」という相談はよく受けますが,弁護士によっても考え方は違いますので,よく確認されるとよいと思います。